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標準的な利益倍率について

今回は、利益倍率の常識、あるいはベンチマークと言える数値を
以下に検討していく


ゼロ成長(あるいはゼロに近い非常に低率の成長)の会社の
PER(Price Earnings Ratio)を想定する必要がある
これは、最近の日本や米国の株式市場では
概ね10倍程度である、10倍のPERとは、
その会社の株式を保有することで投資家が要求する利回りが
10%であることを意味する

この数字の妥当性を示すのに、CAPM理論を持ち出せば、
株主資本コスト=リスクフリーレート+β*リスクプレミアム

リスク・フリーレートを米国長期国債利回りとして5%
比較的リスクの低いゼロ成長株式なので、β=0.7%
株式投資に求めるリスクプレミアムを7%

以上のように仮定すれば、
株主の要求リターンは、5+0.7*7=9.9となり、
10倍のPERはそれほど唐突な数字とは言えないだろう


同様に仮定を置いていくと、
高成長(年率30%で5年間、つまり5年後に利益が
3.7倍になることを想定する)企業のPERは、せいぜい30倍、
EBITDA倍率は11~12倍ということになる

例外として、これを越えるPERやEBITDA倍率が観測される場合もあるが、
それはゼロ成長PERが10倍を大きく上回る場合か、
特殊な高成長ベンチャー企業で別の価値評価モデルが必要な場合である


通常の株式市場、通常の成長モデルの会社の利益倍率は、

PERで10~30倍
EBITDAで4~11.5倍
の範囲に、概ね入っていると考えて間違いはない


次回は利益倍率法の限界について


参考文献
M&A最強の選択
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